2017/05/25
5月21日、大阪城野外音楽堂にて開催された、オムニバスロックイベント【Eggs presents FM802 Rockin'Radio! -OSAKA JO YAON-】。今、そして今後の音楽シーンを支え、まさに今が旬なバンドをよりすぐりに集めたオムニバスロックイベントで雨のパレード、感覚ピエロ、きのこ帝国、SHE'S、sumika、Czecho No Republic GUEST:牧達弥(go!go!vanillas)、フジファブリック、LAMP IN TERRENそしてオープニングアクトに緑黄色社会という計9組が揃った。
FM802 DJ土井コマキ、飯室大吾、鬼頭由芽のスタートコールで、感覚ピエロが登場。初夏の暑い日差しがガンガンに降り注がれたステージから、開口一番「おはようございます!」と横山直弘(Vo,Gt)が叫ぶと、「CHALLENGER」や、5月31日にレンタル限定リリース予定の『あなたの世界は、何色か?』から「疑問疑答」を放ち、かなり攻めのスタンスをみせる。「最高のレジェンドを創りにきました」「皆さんと一緒に"O・P・P・A・I"を叫びたいです」と青空が広がるこの会場でも彼らは容赦なし。腕を掲げ、ハンズクラップとコール&レスポンスで多彩なトリガーエフェクトを使いこなし、見事にトップバッターを務めあげた。
続いて、SHE'Sが登場。一曲目の「Un-science」では、ストリングスとピアノが奏でるイントロから井上竜馬(Vo,Key)の甘いヴォイスで一気に引きつけられていくのを感じる。6月にミニアルバム『Awakening』が発売が決定しており、その中から「Over You」をお披露目したのち、「グッド・ウェディング」、「Voice」など躍動感のあるピアノサウンドとエモーショナルなバンドサウンドは木々に囲まれたこの野音のステージにはピッタリだった。最後は「みんなの好きがずっとずっと続きますように、感謝を込めて」と「Curtain Call」で締めくくった。
重厚なSEの中登場するメンバー、重ねるようにベースが鳴り「ロッキンレディオ、調子はどうですか?雨のパレードです。」と福永浩平(Vo)が一声かけると1曲目「Tokyo」から暑いほど晴れた大阪城野音の雨のパレードのステージが始まった。シンプルながら心に響く歌詞、エレクトロな浮遊感あるメロディーが合わさり、ゆらゆら揺れる満員のオーディエンスに「調子はどう?」と語りかけ、2曲目「stage」が晴れやかな野音のステージに響きわたる。「今日のイベント楽しみにしてました。802の人達って本気で音楽が好きな人達が集まってて。これからも長くつきあっていけたらいいなって思ってます。呼んでくれてありがとう」とMCを挟み3月に出したばかりのアルバム『Change your pops』から「1969」、FM802の今年2月のヘビーローテーションになっていた「Change your mind」を披露する。まさに初夏の暑さになったピーカンの城野音に、周りの木々を震わせるような重厚な大澤(Dr)のドラム、太く存在感ある是永(Ba)のベース、軽やかなリフを刻む山崎(Gt)のギターのメロディーに合わさった福永の透明感ある伸びのある美しい声が、涼しい風とともに会場を吹き抜けスッと体感温度を下げていった。後半には2015年にリリースした 3rd mini Album 『new place』のから「petrichor」と表題曲「new place」を続けて披露し、「ありがとう」と美しくも儚い余韻を残し去っていった。
あっという間の中盤戦、LAMP IN TERRENは、高揚感が突き抜ける「涙星群の涙」からスタート。「僕らと皆さんで作っていく特別な1日。今日という日に僕らも仲間にいれてください。」とこの日にかける想いから「キャラバン」へと続く。疾走するでもない、かけ足のようなこの清々しい正統派ロックは聴いていて心地が良い。サビのハーモナイズも有無を言わせない。「涼しくなれるかどうかわかんないけど、休める曲をやります!なので、どうぞ座ってください」とクールダウンな時間へと導き、披露された「メイ」や「緑閃光」は、オーディエンスが穏やかに彼らを聴き入る空間へと変えていく。しかし彼らの熱いパフォーマンスは変わらない。むしろ熱量はどんどんと増していくのだ。ラストの「地球儀」。オールスタンディングとなった会場で揺るぎない確信が生まれた瞬間だった。
15時半を周り例年なら少し暑さもマシになるこの時間、全然暑さが変わらないステージにはきのこ帝国が登場。SEが消えると、いきなり心臓をつかまれたかのようなストレートすぎる佐藤千亜妃(Vo,Gt)の歌声から、挨拶代わりの「疾走」でスタートしたきのこ帝国のステージ。続けて「きのこ帝国です、よろしくお願いします」と控えめなMCとは裏腹に、アグレッシブなビートとサウンドがひときわ鮮烈で走り出したくなる様な「YOUTHFUL ANGER」を演奏すると会場の空気を一気にロック色に変化させる。「まだまだいけるっしょー、次の曲、踊りながら聴いてくれたら嬉しいです」と「クロノスタシス」を披露するとオーディエンスはステージに手を差し出しユラユラと揺れながら曲に身体を預けていた。続けて2013年にリリースした『ロンググッドバイ』からリード曲の「海と花束」を。「暑くない?」と会場を気遣いながら、きのこ帝国という可愛らしい名前からは想像もつかない、4人で?き鳴らすドープな轟音の中に、藤千亜妃(Vo.G)が伸びやかに歌い上げる神々しい声と歌詞が心に響く「東京」に鳥肌が立つ。ラストに「愛のゆくえ」を歌い上げ、心地よいノイジーな余韻を残してステージを後した。
Czecho No Republicはいつものようにパッと華やかなオーラを放ちながら登場。早速、細やかなビートで刻まれた「Amazing Parade」、から「Oh Yeah!!!!!!!」でキラびやかなハッピーソングを奏でていく。Wギター、シンセで音の厚みが増し、踊るようなリズムとメロディにおのずと体が動き出す。そして、今回はスペシャルゲストとして、牧達弥(go!go!vanillas)が登壇。チェコ流にアレンジされたgo!go!vanillasの「MAGIC」や「MUSIC」を牧と武井優心(Vo,Ba)で歌い上げるなど、ここでしか見れないコラボにファンは大いに沸き立つ。牧と武井のお揃いのTシャツトークは公私共に仲のいい様子もバッチリと見せてくれた。ラストの「Firework」、互いを引き立て合うセッションはいつまでも見ていたかった。
暑い暑いといいながら過ごしていた【Rockin'Radio!】も終盤。陽も西へ傾き始め会場の半分くらいまで日陰ができた、少し涼しくなった会場に登場したのはフジファブリック。このメンツの中では明らかにベテランで、メンバーチェンジを繰り返しながらも多くのファンに支持され続ける彼ら。SEなしでいきなり1曲目から「夜明けのBEAT」で超満員の観客の心を掴むと、続けて昨年12月にリリースした『STAND!!』から「SUPER!!」を披露、「大阪ーーー!」とシャウトする山内総一郎(Vo,Gt)に会場は更にヒートアップし、皆笑顔でそれぞれの楽しみ方で身体を動かす。「ただいまー」と地元大阪へ挨拶すると 俳優山田孝之をフィーチャリングゲストに迎えた事で話題の最新ニューシングルの「カンヌの休日」を演奏。ギターと金澤(Key)の奏でるシンセのキャッチャーなフレーズが絡み合う軽快かつ疾走感あふれるサウンドにニヤニヤが止まらない。そんなオーディエンスの反応を見越してか次の曲は「夕方にぴったりの曲やります」と、ここで「若者のすべて」を披露。日中日焼けした肌から心に沁みていくようなこの曲に、涙腺が崩壊させられた人も多かったんじゃないだろうか。始まった時より少し影が増えた城野音。幼少期会場付近で遊んでいた事を思い出し、このステージにまた改めて立てた事に感謝する山内に、空を飛ぶカラスからチャチャが入ると、「次の曲いきます」と2014年にリリースしたアルバムのタイトル名の曲「LIFE」を演奏し、会場をポップでハッピーな雰囲気に染める。最後に「虹」で会場を盛り上げるだけ盛り上げて、久しぶりの城野音のステージを降りた。年明けからツアーを回っていた彼ら。圧巻のステージングに会場は騒然としつつも、トリのsumikaへ期待を膨らまさせていた。
すっかり日も暮れ、いよいよトリとなるsumikaはなんと初登場。2016年4月のFM802ヘビーローテーションにも選ばれた「Lovers」は802リスナーにはおなじみ。一体となる会場を見方に「魔法を完成させたい」と「MAGIC」を全身全霊でプレイ。「ソーダ」、「ふっかつのじゅもん」を経て、話は5月18日に発売された価格設定自由の『Dress Farm #3』へ。「僕とメンバーだったり、sumikaと皆さんの関係性だったり、それってお金にするならいくらなんですか。って聞かれたときに、僕は答えられないなと思うんですよ。」「人間の頭だったり、心って、都合よく数字で割り切れるようなもんじゃない。やらなきゃいけないこと、頑張っていることが数字にならないなって思うようなものでも、いつの日か暖かい春の風に乗ってあなたの大切な人まで届きますように」と新曲「春風」を彼ららしい想いを込めて歌い上げた。今日一日動き回った身体にすっと染み渡り、太陽が沈み切った空にまた春風が吹き込んだようだった。てるてる坊主のような気持ちでと本編の最後には「雨天決行」、そして、アンコールは「「伝言歌」」。自然と大合唱するオーディエンスと、メンバーのやり切った笑顔。会場は多幸感でいっぱいとなって幕が降りた。今週末の5月27日にビルボードライブ大阪、28日ビルボードライブ東京公演を控え、[camp session]で魅せる彼らがますます楽しみだ。
またFM802ではこの日のライブ音源を番組にてオンエア、そして出演者全員のサインが入ったTシャツを『ROCK KIDS 802 -YUME GO AROUND-』でプレゼント予定。詳しくはFM802のホームページをご覧ください。
カメラマン:渡邉一生
緑黄色社会
感覚ピエロ
雨のパレード
LAMP IN TERREN
きのこ帝国
フジファブリック
sumika
カメラマン:日吉"JP"純平
SHE’S
Czecho No Republic ・GUEST:牧達弥(go!go!vanillas)
◎イベント概要
【Eggs presents FM802 Rockin'Radio! -OSAKA JO YAON-】
大阪城音楽堂
2016年5月21日(日)<終了>
出演:雨のパレード、感覚ピエロ、きのこ帝国、SHE'S、sumika、Czecho No Republic GUEST:牧達弥(go!go!vanillas)、フジファブリック、LAMP IN TERREN、緑黄色社会(オープニングアクト)
MC:土井コマキ、飯室大吾、鬼頭由芽
HP:http://funky802.com/rockin/
◎オンエア情報
『RADIO∞INFINITY』
5月25日(木) 深夜24:00~3:00
『ROCK KIDS 802 -YUME GO AROUND-』
5月26日(金)&6月3日(金)、17日(金) 21:00~24:00
『ROCK KIDS 802 -YUME GO AROUND-』内 Eggs The Future in Our Hands
6/16(金) 21:00~23:48
Rockin'Radio 全出演者サイン入りTシャツをプレゼント
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