2017/03/30
第89回アカデミー賞で作品賞ら3部門を受賞した、映画『ムーンライト』のオリジナル・サウンドトラックが4月7日にリリースされる。
本作は、自分の居場所を探し求める主人公の姿を、3つの時代で綴ったストーリー。LGBTをテーマにした作品として初めて作品賞を受賞した。音楽を担当したのは、映画『セッション』などで知られるニコラス・ブリテル。劇中で対位法のヴァイオリンを用いている部分について、「ハーモニーが心の動きに合わせて微妙に移り変わるようにしたかったんだ。この物語でシャロンが自分の感情を探っていくようにね」と語っている。本作の監督を務めるバリー・ジェンキンス監督は、ブリテルについて「彼の音楽を聞くと、映画が目に浮かぶんだよ」と称している。
また、ジェンキンス監督は、1990年代初めにヒューストンのヒップホップシーンで生まれた、曲のテンポを下げたり、特定のフレーズを繰り返す独特のリミックス法“チョップド&スクリュード”を本作に取り入れている。そのきっかけについて「主人公のシャロンが聴いていたと思われる音楽は、映画の舞台であるマイアミのフッド(低所得地域)を特徴づける要素の1つであり、そこから“クラシック音楽に応用してみたらどうなるかな?”というアイデアが生まれた」と明かした。さらにジェンキンス監督は、「オーケストラの生演奏を録音して、それをチョップ&スクリューしよう」というブリテルの提案に即答したといい、「ヒップホップはリズムが速いから、歌詞が勢いよく向かってくるんだ。でもこの手法を用いると、それがゆっくりと流れる。だから失われがちだった思慕などの感情が表面に浮き出てくる」と語っている。
そのほか、本作の挿入歌として、リー・ペリーのベーシストとして知られるボリス・ガーディナーの楽曲や、グッディ・モブの「Cell Therapy」、バーバラ・ルイスの「Hello Stranger」などが起用されており、サントラにも収録されている。なお、映画『ムーンライト』は3月31日よりTOHOシネマズシャンテほかにて全国ロードショー。
◎リリース情報
オリジナル・サウンドトラック 『ムーンライト』
2017/04/07 RELEASE
RBCP-3186 2,400円(tax out)
01. Every N****r Is a Star by Boris Gardner
02. Little's Theme
03. Ride Home
04. Vesperae Solennes de Confessore – Laudate Dominum,K.339
05. The Middle of the World
06. The Spot
07. Interlude
08. Chiron's Theme
09. MetroRail Closing
10. Chiron's Theme Chopped & Screwed (Knock Down Stay Down)
11. You Don't Even Know
12. Don't Look at Me
13. Cell Therapy by Goodie Mob
14. Atlanta Ain't but So Big
15. Sweet Dreams
16. Chef's Special
17. Hello Stranger by Barbara Lewis
18. Black's Theme
19. Who Is You
20. End Credits Suite
21. The Culmination (Bonus Track)
◎公開情報
『ムーンライト』
2017年3月31日(金)TOHOシネマズシャンテ他にて全国公開
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレバンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス、アンドレ・ホーランド
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ/朝日新聞社
配給:ファントム・フィルム
(C)2016 A24 Distribution, LLC
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