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2017/03/27

フィフス・ハーモニー、日本のファン19,000人を前に圧巻のステージ「ニホンサイコー」

 フィフス・ハーモニーが、3月25日幕張、26日神戸にて開催された【POPSPRING 2017】にヘッドライナーとして初出演し2日間で計19,000人もの観客が熱狂。幕張メッセでのライブレポートが到着した。

 3月25日に千葉・幕張メッセで開催された【POPSPRING 2017】のトリを務めたフィフス・ハーモニー(以下5H)が、セカンド・アルバム『7/27』の収録曲を中心とする大ヒットソング満載の計17曲のセットで、会場に詰めかけたハーモナイザーたちを熱狂させた。

 来日は2度目で、昨年7月にプロモーションで訪れた際に東京でファン・イベントを敢行。数曲を聴かせてくれたが、3ピースのバンドを従えてステージに立った今回いよいよ、踊って、歌って、そして歌わせて、お喋りをして、ライブ・パフォーマーとしての全貌を明らかにしたというわけだ。

 そもそも、登場した時のインパクトからして強烈だった。真っ赤なライトに照らし出されて、それぞれデザインの異なる真っ赤な衣装を身に付け現れた彼女たち。第一声は、「That’s My Girl! Tokyo!」。悲鳴に近い歓声を浴びながら、『7/27』のオープニング曲でもある最新シングル「ザッツ・マイ・ガール」に突入する。

 以後、「ミス・ムーヴィン・オン」「スレッジハマー」「リフレクション」と、ファースト・アルバム『リフレクション』からのアップテンポな曲の数々で畳みかけるようにして、テンションをアップ。EDMスタイルの5曲目「ディス・イズ・ハウ・ウィ・ロール」まで来ると、カラフルなライティングも相俟って、ステージの上もフロアもすっかりクラブ状態だ。続く「スケアード・オブ・ハッピー」で少しスローダウンすると、ダンスもひと休み。「ライト・オン・ミー」や「ノー・ウェイ」といったダウンテンポの曲を、スツールに並んで腰かけたりしながら歌って、パワフルな序盤から一転、デリケートなハーモニーでオーディエンスを酔わせる。

 本人たちもエキサイトしていることが分かる、そんな自信に満ちた5Hのパフォーマンスは、最近メンバーがひとり減ったことすら忘れさせてしまう。そう、さる12月にカミラ・カベロが突如脱退したが、メンバーを失ったポップ・グループは得てして自然に役割を補い合い、新しいバランスを見出すもの。まだ新編成での公演回数は10回に満たない5Hも、すでに4人でのケミストリーを確立していて、彼女たちならではのヴォーカル・リレーもあうんの呼吸。また、各人の声の特性をはっきり認識できるというのも、ライブの醍醐味だ。

 グループ随一の声域を誇るアリーの甘みを含んだ声、ノーマニのニュアンスたっぷりの声、ローレンのスモーキーな声、ダイナの華のあるセクシーな声……という具合に。4つの個性と、グループとしての個性、両方をしっかりと印象付ける。

 曲の合間のMCも代わる代わる担当して、「アイシテル」「ニホンサイコー」「マダマダイケル?」などなど知っている限りの日本語を盛り込み、投げキスも交えて、それぞれ自分の言葉でファンに感謝の気持ちを表していた4人。「ブレイヴ・オネスト・ビューティフル feat.メーガン・トレイナー」を歌うにあたって、グループを代表してちょっと長めのメッセージを伝えたのは、ダイナだった。「こうして外国に来て、美しい女性たちと一緒に過ごすことができて、本当に謙虚な気持ちになれる。みんな美しくて自信を備えていて、それを自分の中に探せばいいだけなのよ」と。そしてオーディエンスと一緒に、「I am brave! I am honest! I am so beautiful!」とおまじないのように唱えると、ぐっと控えめの伴奏で、この夜一番のエモーショナルなシーンを作り出す。

 ラストはとっておきの2つのアンセム、「ワース・イット feat.キッド・インク」と、日本でも破格のヒットを博した「ワーク・フロム・ホーム feat.タイ・ダラー・サイン」だ。これまた真っ赤な紙吹雪が舞う中でフィナーレを迎えると、4人は手をつないで一礼して、「また会いましょう!」と手を振りながら去って行った。

TEXT:新谷洋子

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