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2017/03/09

ディズニー監督名コンビが語る、新作『モアナと伝説の海』の制作裏側とは?

 2017年2月初旬に来日を果たした、ディズニー最新作『モアナと伝説の海』のジョン・マスカー監督(左)とロン・クレメンツ監督(右)にインタビューを行い、作品の見どころと制作背景を語ってもらった。

 二人の名前を聞いてピンとこない方が多いかもしれないが、実はこの二人、あの『リトル・マーメイド』や『アラジン』、『ヘラクレス』など人気ディズニー作品を手掛けてきた名コンビなのだ。二人は、CGアニメーションが主流になりつつあった2009年に、ディズニー作品初の黒人プリンセスとして話題を呼んだ『プリンセスと魔法のキス』で手描きアニメーションへ回帰したのだが、本作で遂にCGアニメに初挑戦している。ジョン・マスカー監督は「モアナと同様、私たちも未知の領域への航海へ出たと言えます。私たちにとって製作総指揮のジョン・ラセターが、映画の中でモアナを助けるマウイのような存在で、彼からCGについて色々教わりました。彼に“プリンセス”なんて呼ばれていたんですよ。」と、慣れない制作過程を冗談交じりに話してくれた。

 本作では、そのCG最先端技術を最大限に用いて、青い海や満点の星空、南の島の風景が見事に描かれているが、その映像美に加え、劇中音楽も見どころのひとつだ。ブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』で主演/脚本/作詞作曲を務め、【トニー賞】11部門に輝いたリン=マニュエル・ミランダが本作の音楽を手掛けており、主題歌「How Far I’ll Go」は【第89回アカデミー賞】で歌曲賞にノミネートされた。

 今ではTVや舞台に引っ張りだこのリン=マニュアルだが、幸運なことに監督たちがオファーをしたのがブレイク前の2014年のこと。マスカー監督は「今考えると、多忙を極める彼に劇中音楽をお願いすることが出来て幸運でした。当時から新しい作品に取り組んでいることは知っていましたが、アメリカ建国の父の一人を題材にしたその作品がここまで成功するとは予想していなかったんです。上演中も週2回スカイプで連絡を取り合っていて、衣裳で中華料理を食べながら、『それじゃ、もう行かなくちゃ』っていう時もありましたね。それに彼は締切を大切にする方で、翌週までに仕上げてほしいと頼むと必ずやってくれました」と、話す。

 本作にはかわいらしいキャラクターも登場するのだが、どこか憎めないヴィラン(悪党)たちも登場。ココナッツの海賊カカモラや、カニのモンスターのタマトアについてクレメンツ監督は「今まであったような、ヒーロー対ヴィランという構図は描いていません。モアナを邪魔するキャラクターには少しコメディ要素を加えていて、そういう観点から考えると、これまでの作品とは違う作品になっています」と話す。ちなみに、ニワトリのヘイヘイはマスカー監督、泣き虫の子豚プアはクレメンツ監督をモチーフに描かれているので、ぜひ劇中でチェックしてほしい。映画『モアナと伝説の海』は2017年3月10日より日本公開。

Text & Photo: Mariko Ikitake

◎『モアナと伝説の海』予告編
https://youtu.be/zR1C5MliVfk

◎公開情報
映画『モアナと伝説の海』
2017年3月10日(金)全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2017 Disney. All Rights Reserved.

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