ラッパー、フューチャーの新作『HNDRXX』が、2作連続の首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

　先週、5thアルバム『フューチャー』(今週2位)がNo.1獲得を果たしたばかりだが、2週連続でリリースされた6thアルバム『HNDRXX』も、初動枚数12万枚を獲得し、見事首位獲得を果たした。同アーティストによる別作品が、2週連続の首位獲得をするのは、米ビルボード・チャート史上初の快挙。同年に2枚リリースすることはあるが、2週連続でアルバムを発売することは滅多にない。レーベルの契約上の問題で、急遽発売されることになったと報じられている。

　フューチャーは、2012年にアルバム『プルート』でデビュー。本作は、アルバム・チャート8位を獲得し、2014年リリースの2ndアルバム『オネスト』が2位に、2015年の3rdアルバム『DS2』で、自身初の首位獲得を果たした。『DS2』、昨年2月に発売された4thアルバム『EVOL』含め、本作で4作連続のNo.1獲得を果たしたことになる。2015年9月にリリースされた、ドレイクとの共作『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』を含めると5作連続の快挙。

　4位に初登場したのは、4人組カントリー・グループ、リトル・ビッグ・タウンの8thアルバム『ザ・ブレーカー』。本作は、昨年6月にリリースされた『ワンダーラスト』から1年経たずしてリリースされたアルバムで、前作は最高位103位と勢い振るわず終わったが、今作で挽回し、通算4作目のTOP10入りと、3作目のカントリー・チャート首位獲得を果たした。

　10位にも、カントリー界からアーロン・ワトソンがランクイン。本作『ヴァクエロ』は、2015年の『ザ・アンダードッグ』から2年振り、通算13作目のスタジオ・アルバムで、全米チャートでは初のTOP10入りとなった。テキサス出身の39歳、カントリーファンから絶大な人気を誇るアーティストで、端正な顔立ちも女性受けがいい。ヴァクエロとは、スペイン語でジーンズの意味。

　今週は、2月26日に開催された【第89回アカデミー賞】の受賞・ノミネート作品が売上を伸ばした。オープニングで歌われたジャスティン・ティンバーレイクの「キャント・ストップ・ザ・フィーリング！」が収録された『トロールズ』のサントラ盤は5位に、＜歌曲賞＞、＜長編アニメ映画賞＞にノミネートされた、映画『モアナと伝説の海』は8位に、それぞれ上昇。＜作品賞＞で誤って発表されたことが大きな話題となった、『ラ・ラ・ランド』は11位に浮上したが、TOP10返り咲きとはならなかった。

Text：本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、8日22時以降予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『HNDRXX』フューチャー
2位『フューチャー』フューチャー
3位『24K・マジック』ブルーノ・マーズ
4位『ザ・ブレイカー』リトル・ビッグ・タウン
5位『トロールズ』サウンドトラック
6位『カルチャー』ミーゴズ
7位『スターボーイ』ザ・ウィークエンド
8位『モアナと伝説の海』サウンドトラック
9位『アイ・ディサイディド』ビッグ・ショーン
10位『ヴァクエロ』アーロン・ワトソン