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2016/12/12

来日公演決定のマイケル・キワヌーカ、偉大なるソウルの先達に敬意を表明した『ラブ&ヘイト』(Album Review)

 英ロンドンのマスウェル・ヒル出身、29歳のシンガーソングライター、マイケル・キワヌーカ。2012年にアルバム『ホーム・アゲイン』でデビューし、本作は本国イギリス(UKチャート)で4位、ノルウェーで3位、ニュージーランドでは首位を獲得する大ヒットを記録した。

 それから4年の時を経て、今年7月にリリースされた2ndアルバム『ラブ&ヘイト』は、遂に本国イギリスでNo.1を獲得し、ヨーロッパのみならず、米国やアジアでも高く評価され、知名度を高めつつある。本作からの3rdシングル「ワン・モア・ナイト」は、米ビルボード・アダルト・オルタナティブ・チャートで12位を記録するヒットとなった。

 本作『ラブ&ヘイト』は、ナールズ・バークレイの「クレイジー」(2007年)や、ザ・ブラック・キーズの「ロンリー・ボーイ」(2013年)などをヒットに導いた、デンジャー・マウスがトータル・プロデュースを務め、全タイトル、マイケル・キワヌーカ自身が制作を担当している。カテゴライズするなら“ソウル・ミュージック”だが、フォークやカントリー、ジャズなど幅広いジャンルを取り入れ、古き良きサウンドが楽しめるアルバムに仕上がっている。

 タイトル曲は、マーヴィン・ゲイあたりに影響を受けた、70年代中期のニューソウル・サウンドを、そのまま表現したようなナンバー。長く伸びた脚で街中を駆け回るビデオが話題の「ワン・モア・ナイト」や、視聴回数200万回を記録している「ブラック・マン・イン・ア・ホワイト・ワールド」など、メッセージ性の高い歌詞の世界観も、本作の聴きどころ。これも、“70年代ソウル的”といえる要素のひとつだ。

 生楽器で構成された「ルール・ザ・ワールド」や「ザ・ファイナル・フレーム」など、マックスウェルやディアンジェロあたりの、90年代を代表するネオソウル系シンガーを彷彿させるナンバーもあり、どちらにしても、偉大なるソウルの先達に敬意を表明したサウンドが目白押しだ。

 【マーキュリー賞】にノミネートされ、各国で高い評価を得ているマイケル・キワヌーカ。注目が集まる中で、2017年4月11日に、ビルボードライブ東京で待望の来日公演を行うことが決定した。こういうアーティストこそ、生演奏と生歌で聴くべきだと断言する。本作を聴けば、そのすばらしいステージが目に浮かぶようだ。


Text:本家一成

◎リリース情報
『ラブ&ヘイト』
マイケル・キワヌーカ
デジタル配信
https://goo.gl/ZPseoR

◎公演情報
東京 2017年4月11日(火) ビルボードライブ東京
1st 開場17:30/開演19:00
2nd 開場20:45/開演21:30
INFO:http://www.billboard-live.com/

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