2016/07/06 00:00
1996年のデビュー作『アーバン・ハング・スィート』から丁度20周年を迎える2016年、自身5枚目のスタジオ・アルバム『ブラック“サマ―ズ”ナイト』をリリースする、マックスウェル。そのデビュー盤にも参加している、スチュアート・マシューマン(シャーデー)を共同プロデューサーに迎えた本作は、20年前とまったく変わらない、都会的なR&Bアルバムに仕上がっている。これほど、流行に流されないアーティストも珍しい。
先行シングルとしてリリースされた「レイク・バイ・ジ・オーシャン」は、まさにマックスウェル直球のネオ・ソウル・チューン。曲をイメージした、群青色ベースのビデオもすばらしく、ナイトクラブのシーンと女性と絡み合うベッドシーンとの行き来が、聴き手を興奮に掻き立てる。それも、一気に熱くなるのではなく、ジンワリとくる感じだ。マックスウェルの音楽は、ただエロいのではなく、艶やかな上品さを兼ね揃えている、アダルト・アーバン・ミュージックなのだ。
本作は、都会の夜を彩るようなナンバーだけでなく、幻想的な要素も組み込まれている。ハウス調のオープニング・チューン「オール・ザ・ウェイズ・ラブ・キャン・フィール」や、ゆっくり諭すように歌う「1990x」は、マックスウェルお得意のファルセットが光り、聴いているだけで宙に浮いてしまいそうな気分に浸ることができる。また、80年代ファンク風の「III」では、故・プリンスをチラつかせる場面も…。
ホーンやピアノなど、生音を活かしたネオ・ソウル・チューン「フィンガーズ・クロスト」、や「オブ・オール・カインド」、もはやブルースの域にある「ロスト」も絶品。時代感覚を持ち合わせていながらも、独自の音楽性や信念は決して崩さない姿勢が、このアルバムには現れている。
ちょっとややこしいが、2009年にリリースされた4thアルバム『“ブラック”サマーズナイト』から、全3部作で構成される『ブラックサマーズナイト』の第二弾アルバム『ブラック“サマ―ズ”ナイト』。海外では先立って7月1日にリリースされ、通算9週のアルバム・チャート首位を独占している、ラッパーのドレイクの大ヒット作『ヴューズ』から、首位の座を奪い取ることも期待されている。
そして、本作を引っさげて、初の来日公演が決定。8月19日に、東京・新木場スタジオコーストで行われるワンナイト・ライブで、マックスウェルの生歌が堪能できる。今年で43歳を迎え、さらに色気と歌の深みが増してきたマックスウェル。本作を聴くかぎり、女性陣がうっとり聴き入るライブの様子が、目に浮かぶようだ…。
Text: 本家 一成
◎「Lake By the Ocean」MV
https://youtu.be/BsSu0bRZEHM
◎リリース情報
『ブラック“サマ―ズ”ナイト』
マックスウェル
2016/07/06 RELEASE
2,592円(tax incl.)
◎公演情報
【MAXWELL
SUMMERS' TOUR 2016 #MST16】
東京 2016年8月19日(金) 新木場STUDIO COAST
OPEN 18:00 / START 19:00
チケット:
1Fスタンディング 8,500円(ドリンク代別)
バルコニー指定席 10,500円(ドリンク代別)
一般プレイガイド発売日:6月18日(土)
※未就学児入場不可
INFO: Creativeman http://www.creativeman.co.jp
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