2016/05/23
クリスティアン・ムンジウ監督・脚本・製作による『GRADUATION(英題)/『BACCALAUREAT』(原題)』(予告:http://y2u.be/j0Rh8WLxKd8)が、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて監督賞を受賞した。
ムンジウ監督は、チャウシェスク政権下のルーマニアにて、違法な中絶をのぞむ女子学生と、それを手助けしようとするルームメイトの辛く長い一日を描いた衝撃作『4ヶ月、3週と2日』('07)で、第60回カンヌ映画祭のパルムドールを受賞。ルーマニア映画史上初の快挙となった。続く、ルーマニアの戒律の厳しい修道院で、一人の女性が悲劇へと至る過程を丁寧に綴った『汚れなき祈り』('12)では、第65回カンヌ映画祭にて女優賞&脚本賞のW受賞、翌年2013年カンヌ映画祭では審査員をつとめた。そして今回、初の監督賞により、カンヌ映画祭では3度目の受賞となった。
本作の物語は、妻とは家庭内離婚状態で愛人がいる医師と、18歳の娘・エリザを軸に進んでいく。エリザはイギリス留学のため奨学金の試験を控えていたが、登校途中に男に襲われ、大事にいたらずに済んだものの精神的なショックを受ける。ロメオは父として、試験官に便宜を図ってもらおうと裏工作をしようとするが、娘の反発をうけてしまう。ルーマニアやフランスなどで採用されている大学入学資格のための試験制度“BACCALAUREAT(読み:バカロレア)”を原題にした本作は、ムンジウ監督が得意とする、緻密な人間関係と心の移り変わりが描き出された作品だ。
日本公開日は未定だが、ファンフィルムズより配給予定となっている。
◎映画『GRADUATION(英題)/『BACCALAUREAT』(原題)』
監督・脚本・製作:クリスティアン・ムンジウ
キャスト:アドリアン・ティティエニ、マリア・ドラグス、ヴラド・イヴァノフ、ヴァレリウ・アンドリウツァ
製作国:ルーマニア/フランス/ベルギー
上映時間:128分
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