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2016/03/04

ディアンジェロ・ファンも必聴!90年代サウンドを完璧に蘇生させたBJ・ザ・シカゴ・キッドの類い稀なるセンスと歌唱力にノックアウト (Album Review)

 シカゴ出身、2012年にインディーズから『パイナップル・ナウレイター』でデビューした、R&Bシンガー、BJ・ザ・シカゴ・キッド。注目を集めたのは遡ること10年前、カニエ・ウェストの「インポッシブル」にキーシャ・コールと共にクレジットされ、自身初のランクインを果たす。デビュー・アルバムのリリースから2年後の2014年には、スクールボーイQの「スタジオ」にメイン・ゲストとして参加し、ポップ38位、R&Bチャート10位まで上昇するヒットを記録した。

 それから2年の月日を経て、モータウンから念願のメジャー・デビュー・アルバム『イン・マイ・マインド』を、2016年2月19日に全米リリースしたばかり。鳴かず飛ばずだった時期を乗り越え、初のアルバム・チャートイン(43位)を果たした。万人受けするようなタイプではないが、“売れりゃいい”と使い捨て状態のシンガーが多発する中で、BJ・ザ・シカゴ・キッドの存在は、間違いなく“実力で勝負”するタイプだといえるだろう。歌の実力が如何なものかは、聴けば説明不要だ。

 ディアンジェロやマックスウェルといった、90年代を代表するネオ・ソウル・シンガーの影響をモロに受けていることが、本作を聴くとよくわかる。「エレミヤ」や「ウーマンズ・ワールド」あたり、まさにど真ん中直球という感じで、今っぽさを強調した先行シングル「チャーチ」よりも、こういった生楽器の質感を活かしたトラックのほうが、彼の良さをアプローチできると思う。今年の【グラミー賞】で最多11部門にノミネートされた、ケンドリック・ラマー率いる「ザ・ニュー・キューピッド」は、本作のハイライト。

 ケンドリック・ラマーの他には、チャンス・ザ・ラッパーやビッグ・クリットといった、次世代を担う新星ラッパー等が参加。プロデュースは、エミネムやアロー・ブラック等のヒットを手掛けたDJ・カリルや、ニッキー・ミナージュやジャスティン・ビーバーのTOP10ヒットを生み出した、ダ・インターンズが担当し、自身も全曲制作に携わっている。90年代サウンドを完璧に蘇生させたサウンドセンスも、正真正銘の実力派といえる要素のひとつだろう。

 本作を引っさげて、BJ・ザ・シカゴ・キッドが初来日する。6月11日にビルボードライブ大阪で、6月13日にはビルボードライブ大東京で、それぞれワンナイトとなるプレミアム・ステージを発表した。パートナーへ送る甘い空間の演出、そして独りじっくり堪能したい方にも、上品で艶やかな夜を届けてくれることは間違いない。昨年の【SUMMER SONIC】、そして3月末の横浜・大阪公演に参加できなかった、ディアンジェロ・ファンには、是非とも参加していただきたい。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
『イン・マイ・マインド』
BJ・ザ・シカゴ・キッド
2016/02/19 RELEASE
輸入盤

◎来日公演情報
大阪 2016年6月11日(土) ビルボードライブ大阪
東京 2016年6月13日(月) ビルボードライブ東京
INFO: http://www.billboard-live.com

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