2016/03/02
昨年10月に寺岡呼人プロデュースのブルースアルバム『哀歌-aiuta-』をリリースした八代亜紀。横浜の夜にブルースを響かせたライブの模様が、TOKYO MX開局20周年記念特番にて放送される。
2月29日に神奈川MOTION BLUE YOKOHAMAにて開催された【AKI YASHIRO 哀歌~Premium Night~】。ブルージーなサウンドの鳴るステージに煌めかしい黒いドレス姿の八代が拍手で迎え入れられると、サックスの音色を響かせ「St.Louis Blues」で幕を開ける。時に「イェイ!」とバンドメンバーを指差し楽器ごとの演奏を引き立てていく、息ぴったりなステージを作っていった。
「皆様こんばんは。哀歌~Premium Night~です」と挨拶すると、「赤レンガは憧れだったの。港の見えるライブハウスが大好き」と嬉しそうに語る。また「今日はテレビが入ってるの。皆様も映ります。顔出しNGの方は言ってね」と笑いを誘いつつ、3月31日にTOKYO MX開局20周年記念特番としてこのステージの模様が放送されることを発表した。
続いては日本の歌を、と「別れのブルース」をじっくりと聴かせ、軽快なリズムにのせた「フランチェスカの鐘」では観客も身体を揺らしていく。「皆さんついてきてますか?」と問いかけ、「今日はやさぐれた感じで」と始めた藤圭子カバーの「夢は夜ひらく」を、フルートの旋律の光るアレンジで魅了。盛大な拍手に包まれるステージで、「圭子ちゃん、イメージ変わった?」と天を仰いでみせた。
あっという間にライブも中盤に差し掛かると、続いては『哀歌-aiuta-』よりオリジナル曲を披露。「ちょうど横浜にピッタリな曲」として横山剣の提供曲「ネオンテトラ」をしっとりと歌い始める。自身を“代弁者”と称する八代の切なくも力強い熱唱に、息を呑むステージを繰り広げた。そしてどん底の悲しい歌をオーダーしたという中村中の提供曲「命のブルース」を、時に荒々しいピアノアレンジに乗せ熱を帯びた歌声で届けると、ひときわ大きな拍手の中ステージを後にした。
そして真っ赤なドレス姿に着替えて登場すると、観客に手を差し伸べたり手拍子を煽ったりと「Fly Me to the Moon」で会場を再加熱していく。「ドレスは赤です。キレイ? 80歳まで着るから」と笑いを誘い、「ヒット曲いっていいかな?」と港町・横浜だからこそと「おんな港町」、さらに「雨の慕情」と大ヒット曲をブルースアレンジで畳み掛ける。手拍子に歓声にとお馴染みの楽曲を楽しむ観客に、軽快なビートにのった八代も「フゥ!」と嬉しそうに応えながら、一体感溢れるステージを繰り広げた。
その後「The House of the Rising Sun」をムードたっぷりに歌唱した八代は、「ショーはこれで終るの。もちろん、アンコールがあればやるけど?」と茶目っ気たっぷりに言ってみせると、ロバート・ジョンソンのカバーで自身の故郷バージョンにアレンジした「Sweet Home Kumamoto」を披露。鳴り止まない手拍子と「カモン!」のコール&レスポンス、そしてギターにピアノ、サックスと楽器パートを全身で楽しみながらこの日一番の笑顔を見せ、最後は一呼吸おいて「Sweet Home YOKOHAMA!」で大歓声に包まれた。
“予告通り”の盛大なアンコールに「ありがとう!」と感謝の気持ちを伝えると、改めてバンドメンバーを愛称で紹介していく。そして「素敵な時間を、素敵な空間で、皆様と過ごせて本当に良かった」と会場の隅々を見渡した。「横浜ですからジャズっぽくいきましょう!」と、静かに楽器を鳴らしライブを締めくくったのは「舟唄」。そのアンコをボーカルのみで魅了した八代は、ファンとの触れ合いを楽しみながら客席を抜け、感謝の言葉を繰り返し会場を後にする。全12曲のブルースサウンドを横浜に響かせたバンドメンバーにも盛大な拍手が送られると、惜しまれつつも幕を閉じた。
なお、八代は伊東ミキオ(MIKIO TRIO)率いるニューバンドを結成し、6月よりコンサートツアー【八代亜紀 2016 AIUTA presented by 積水ハウス】を開催することも決定している。
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