2016/02/12
いよいよ2月15日(日本時間16日午前)に迫った、【第58回グラミー賞】授賞式。日本国内でも主要4部門のゆくえや授賞式での豪華パフォーマンスが毎年大きな話題となるが、それ以外にもみどころ満載。そこで、今年5組中4組が初ノミネートとなり大注目の最優秀レゲエ・アルバム部門を紹介したい。
同部門はここ2年、ボブ・マーリーの長男ジギー・マーリーが連続受賞を果たし、さらに直近10年をさかのぼっても、ジギー3回、スティーヴンが3回、そしてジュニア・ゴングこと末っ子ダミアン1回と、レゲエ界のサラブレッド、マーリー家が圧倒的な強さを見せつけている。しかし、今年は彼らのノミネートはなく、5組中4組が初ノミネート、誰が穫っても初受賞となりその賞レースのゆくえに高い注目が集まっている。
今回、ジャマイカ以外から唯一のノミネートとなったのが、西アフリカ・ガーナ出身、ルーツ・レゲエにアフロ・ビートを融合させた“アフロ・レゲエ”の注目株、ロッキー・ダウニ(Rocky Dawuni)。その幅広い音楽性から、レゲエ・シーンのみならずワールド・ミュージック界からもその才能が高く評価され、アメリカの人気ワールド・ミュージック・レーベル[クンバンチャ]へと移籍。移籍第一弾となった『ブランチズ・オヴ・ザ・セイム・トゥリー』で、初のノミネートを果たした。
残る4組はやはりレゲエの本場、ジャマイカから。最注目は、デビューからわずか1年後の1998年に逮捕され、懲役15年の刑に処されるも獄中から世に送り出したナンバーが次々と同国のチャートを席巻、“獄中のレゲエ・アーティスト”として一躍シーンのカリスマとなったジャー・キュア(Jah Cure)。ボブ・マーリーへのオマージュなど自身のルーツを探求した3年ぶりの新作『The Cure』は、2015年7月のリリース以降アメリカでもロング・ヒットを続け、全米ビルボード年間レゲエ・チャート7位を記録。これはノミネート作品中最高位となるため、最有力候補との声もあがっているが、その経歴がハンデになるという見方も。
続いて、今年同部門において最年長ノミネート・アーティストとなったダンス・ホール・レゲエ最高峰シンガー、バーリントン・リヴィ(Barrington Levy)。ジャマイカで70年代末から活躍を続ける大ベテランが、自身の人気曲を全編アコースティック・カバーした『Acousticalevy』で初ノミネート。また、90年代から活躍する正統派レゲエ・シンガー、ルチアーノ(Luciano)が『Zion Awake』で唯一、キャリア2度目のノミネートとなっている。
そして最後の1組はジャマイカを代表するレゲエ・バンドとして日本でも高い人気を誇るモーガン・ヘリテッジ(Morgan Heritage)。ノミネート作となった『Strictly Roots』は、全米ビルボード・レゲエ・チャート年間10位とジャー・キュアに次いでアメリカ国内での好セールスを記録している。2012年の復活以降、世界を視野に入れた活動をおこなってきた彼らもまた、今回が念願の初ノミネートとなった。
ちなみに、2015年の全米ビルボード・レゲエ・チャート年間No.1を獲得したジョス・ストーンの『ウォーター・フォー・ユア・ソウル』は、今回同賞にはノミネートされていない。
◎最優秀レゲエ・アルバム 候補作品一覧
『Branches Of The Same Tree』ロッキー・ダウニ
『The Cure』ジャー・キュア
『Acousticalevy』バーリントン・リーヴィ
『Zion Awake』ルチアーノ
『Strictly Roots』モーガン・ヘリテッジ
INFO:グラミー賞オフィシャルサイト
http://www.grammy.com/
◎番組情報
『生中継!第58回グラミー賞授賞式』
WOWOWプライム 2月16日(火)午前9時~
INFO:http://www.wowow.co.jp/music/grammy/
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