2015/12/30 00:18
2015年12月28日より4日間、年末恒例の年越しイベント【COUNTDOWN JAPAN 15/16】が開催。その1日目、12月28日公演の模様をレポートする。
総勢100組以上のアーティストが4日間、EARTH STAGE、GALAXY STAGE、COSMO STAGE、MOON STAGE、ASTRO ARENAの5つのステージに分かれライブを行う本イベント。メインステージとなるEARTH STAGEでは【COUNTDOWN JAPAN】初出場となるゴールデン・ボンバーがステージの先頭を切った。この日が(31日の紅白出場を除けば)今年のライブ納めとなったという彼らは、持ち前のエア演奏とネタの数々を武器に、トップバッターに相応わしい景気の良い演奏を披露。「抱きしめてシュヴァルツ」ではその直前のMCを前振りに、喜矢武 豊の熱湯風呂や、樽美酒 研二の“尻出し”、さらに銀テープまで仕込んだ一足早いカウントダウンまで、やりたい放題のパフォーマンスで客席に笑いを巻き起こす。さらに「トラウマキャバ嬢」や「死 ん だ 妻 に 似 て い る」などでも痛快なエア演奏を披露。最後、お約束の「女々しくて」では、演奏中に三代目 J Soul Brothersの影響で今年大流行した“ランニングマン”の振りも垣間見せるなど、最後まで飽きさせずにステージを終えた。
andropや04 Limited Sazabysなど、ロック系のアクトが多く出場したGALAXY STAGEで序盤に登場したのが、川谷絵音率いるindigo la End。女性コーラスも迎えた編成で、「夜汽車は走る」や「瞳に映らない」などを披露。メロウで切ないロック・サウンドに乗せて、低音から高音まで伸びやかな川谷の歌声を存分に聴かせる。MCも少なめで、その抑制的な様子が演奏中に噴出するエモーションを一層引き立てる。来年2月にリリースするというシングル「心雨」の演奏も挟みつつ、ラストはR&B調の「夏夜のマジック」を川谷のハンドマイクで披露。その演奏前、「31日、家にいる人はNHKを見てください。ふふっ」と笑った川谷の姿が印象的だった(31日『紅白歌合戦』に川谷の別バンド、ゲスの極み乙女。が出演)。
個性的なロック・アクトが顔を揃えたCOSMO STAGEには、オルタナ音楽の要素を強調したポップ・ソングの数々で魅せた赤い公園や、ロックンロールの滋味深さを感じさせたサンフジンズなどが出演。この日、このステージで久しぶりのライブ復帰となったモノブライトは、前半、ホーン隊を招いた熱いモッズ風サウンドで「アナタMAGIC」や「躍る脳」を披露、ソウルフルなバンドの魅力を存分に発揮。さらに、本日MVを公開したばかりの新曲「冬、今日、タワー」(読み:とうきょうたわー)と、同じく新曲の「ビューティフルモーニング」を演奏し、来年以降の更なる活躍に期待を膨らませるようなパフォーマンスを披露した。また、MOON STAGEでは、じんや黒猫チェルシーが、ASTRO ARENAでは、tofubeatsやCAPSULEがそれぞれ熱演を繰り広げた。
メインステージであるEARTH STAGEでは、ゴールデン・ボンバーの後も、パワフルなバンド編成のmiwaや、「中田ヤスタカさんに頼んでチャラいリミックスを作ってもらった」という"クラブ/パリピ仕様"きゃりーぱみゅぱみゅ、BABYMETALなどバラエティ豊かなポップ・アクトが活躍した。
そんなEARTH STAGEのラスト2組をつとめたのがくるり、そしてASIAN KUNG-FU GENERATIONという、最早ベテランの域に入りつつあるロック・バンドたち。トリ前となったくるりは名曲「ワールズエンド・スーパーノヴァ」からライブをスタート。演奏力には定評の高い彼らだが、ドラムスの福田洋子らをサポートに迎えたこの日の演奏では、そこはかとなくブラック・フィーリングが増大。高音を抑えたまろやかな出音と相まって、温かいダンス・フィールが場内を満たした。さらにそこからは「ワンダーフォーゲル」、「Liberty & Gravity」、「ばらの花」、「ロックンロール」、「虹」とまさにベスト・ヒット的な内容で選曲でも会場を盛り上げる。そんな中、披露された「everybody feel the same」は、それが2011年のあの震災を受けて作られたアルバム『坩堝の電圧』の一曲であるだけに、この2015年の年の瀬にも風化されるべきでない記憶や感情を呼び起こすようで印象的だった。
トリをつとめたアジカンは「センスレス」から演奏をスタート。様々な展開を繰り広げる一曲で、まずはサラリと現在のバンドの充実ぶりを見せ付ける。そこから2曲目は「リライト」、さらに現時点の最新シングルである「Easter」へとつなげ、一気にギアを踏み込むように会場のボルテージを上げる。「みんなが知ってそうなやつやります」という後藤の“らしい”MCに続き演奏された「ソラニン」や「Re:Re:」、「アフターダーク」という、こちらもベスト・ヒット的な選曲もインパクト大。曲のイントロが鳴るたびに会場がどよめいた。また「君という花」では後藤がハンドマイクで歌唱、そのノリの良い様子に会場も朗らかな笑いに包まれた。終盤は「踵で愛を打ち鳴らそう」、「君の街まで」、(バンドのお気に入りの一曲である)「迷子犬と雨のビート」、「Wonder Future」と希望的で祝祭感のある選曲で、フェスのトリ、そして年の瀬らしいムードを演出。アンコールでは、インディーズ時代からの人気曲「遥か彼方」を披露し、来年、結成20周年を迎えるバンドの原点を確認するように、そのステージを締めくくった。
【COUNTDOWN JAPAN 15/16】は12月31日まで連日開催。今年の年越しのEARTH STAGEのカウントダウンは10-FEETが務める。
◎公演概要
【COUNTDOWN JAPAN 15/16】
2015年12月28日(月)~12月31日(木)
※12月31日は深夜公演もあり。
URL:http://countdownjapan.jp/
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