2015/09/24
世界一有名な英語曲「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー(Happy Birthday to You)」が、著作権フリーになる可能性が出てきた。映画製作者らが同曲におけるWarner/Chappell Musicの所有権について異議申し立てをしており、その判決が9月22日におりた。ハリウッド・リポーターが伝えている。
米地方裁判所判事のジョージ・H.キングの見解によると、「Summy Co.は“Happy Birthday”の歌詞の権利を取得していないため、Summy Co.の承継人とされる被告は“Happy Birthday”の歌詞における正当な権利を所持していない」とのことだ。
この判決は、年間200万ドル(約2億4,000万円)におよぶという同曲における収益をWarner/Chappellが失うことを意味する。上訴裁判所で何もないか、もしくは同曲の確かな所有権を主張する他の誰かが現れなければ、2013年に訴えを起こしたジェニファー・ネルソン監督をはじめ、フィルム製作者たちは映画やテレビ番組において“Happy Birthday”を使う際に使用料を払う必要がなくなるという。
“Happy Birthday”ソングは19世紀の終わりにPatty Smith Hillという名の教師とその妹、Mildred Hillによって作られた。
Hill姉妹は後に同曲の権利をClayton Summy所有の出版社に譲渡しており、その後、Summyの会社によって著作権登記された。現在所有権のあるWarner/Chappellは、1935年に行われたその登記は、ピアノのアレンジと共に、世界で知られるその歌詞もカバーしたものだと主張してきた。
今回の判決は、確かな権利を有しているとしたWarner側の主張を退けるもので、裁判官は登記内容に歌詞が含まれるかどうか特に明確にされていないと指摘。そのうえ、同著作権が適切に移行されていないことも立証している。
「被告は我々に対し、Hill姉妹が歌詞の利用および保護に関する同権利を最終的にSummy Co.に与えたことを見つけるよう求めていたが、記録上においてこの主張を支持できるものはない。Hill姉妹はSummy Co.にメロディーの権利とメロディーをもとにしたピアノ・アレンジの権利を与えているものの、歌詞についての権利はない」
また、同曲は20世紀初頭に教科書に登場したものだとする原告の初期の主張を支持し、Hill姉妹が同曲を作ってから40年後の1934年まで出版を目的としていないことを裁判官は付け加えた。
ちなみに本件に関する論争はまだ続きそうだ。“Warnerは数百万ドルのライセンス料を返すべきだ”と原告の弁護団は主張しており、損害賠償問題が今後浮上すると見られる。
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