2015/07/10 17:00
avex初のアイドル専門レーベル iDOL Streetの第1弾グループにしてトップランカーであるSUPER☆GiRLS。デビュー5周年のタイミングで、全メンバーの個別インタビューを敢行してきたこの連載、大トリを務めるのは絶対的エース“あみた”こと前島亜美だ。
<プロ意識とアイドル愛の強い絶対的エースにはあまりにもツラい現実>
様々な理由や経緯でスパガのメンバーになった11人の中で、彼女ほどアイドルになるべくしてなった存在はいないだろう。Berryz工房のももち(嗣永桃子)のことが大好きで、「自分もアイドルになりたい」とオーディションを受け、スパガのメンバーになるなりその王道アイドル然としたビジュアルと歌声でグループを牽引。絶対的エースとしてスパガはもちろん、iDOL Street全体の発展にも大きく貢献してきたと言える。その活躍の背景には「アイドルは凄い」と多くの人に思わせたい野心と、「誰にも負けたくない」という気概があり、ゆえに彼女は誰よりもプロのアイドルであろうとした。
しかし、スパガは度重なるメンバー卒業、それによるグループ全体の士気低下、アイドルムーヴメントの沈静等、様々な要素が重なり、苦難の季節に突入。前島自身もブログで「グループの勢いも落ちてきてしまって」と記し、さらには「私自身も、昔の方が良かった 劣化した ダメになったって沢山言われるようになって」と綴る事態にまで陥った。プロ意識とアイドル愛の強い絶対的エースにはあまりにもツラい現実。が、彼女はこの現実を受け入れた上で、ひとりではなく、性格も生き様もバラバラなメンバーたちと一丸となり、約束の地へと突き進むことを決意した。
スパガの未来へ向けた、覚悟と執念の言葉。一語一句見逃さずご覧いただきたい。
◎SUPER☆GiRLS 前島亜美インタビュー
<「年始のライブで必ず卒業発表があるね」って言われちゃう>
--今のスパガに対してどんな印象を持たれていますか?
前島亜美:今のスパガは……変化の途中。去年、初代リーダー(八坂沙織)が卒業して、新メンバーが3人(渡邉幸愛、浅川梨奈、内村莉彩)入って、新体制の第2章が始まってから1年経ったんですけど、また年始にメンバーが1人(後藤彩)卒業してしまって、そこで1回グループがグラついたというか、また危機がやってきたなっていう感じがすごくあったんですけど……でも5周年のツアーでみんないろいろ見つめ直したりとか、思い直すことができて、今はまた頑張れてるのかなと思っています。
--6月13日「私の本音」というタイトルで書かれたブログ(http://amba.to/1CktgYz)には、「頑張れば頑張るほど空回りして 毎年のようにメンバーが卒業していって グループの勢いも落ちてきてしまって」と書かれていました。
前島亜美:その日ちょうどメンバー間でミーティングをしたんですけど、「やっぱりもう1回日本武道館に立ちたい」という想いがみんなの中にすごく強くあって。でも現状を見ると「今のままじゃダメだよね」っていうことは全員が痛感していて、どうしたらいいのか真剣に考えてたんです。それでああいうブログを書いたんですけど、スパガってメンバーが卒業する度にグループの士気が下がってしまうんですよ。誰かが卒業する度に「あ、またグループが変わっちゃうな」と思うし、実際にひとり去るごとに一緒に去っていってしまうファンの方もいて、それがすごく悲しくて……。
--ただ、メンバーが卒業することで「このままじゃダメだ!」って士気が上がるグループもいますよね。スパガの場合はなんでそうならなかったんでしょう?
前島亜美:いや、もちろん「このままじゃダメだ!」って上げていくんですけど、そこでメンバー間のぶつかり合いが起きてしまったこともあって。やっぱり女の子同士のグループって難しいところがあって、例えば、本気で仕事だけを頑張りたい娘と、普通の女の子としても楽しみたい娘がいたりして、そこで意見がぶつかったりする。ただ、そうした状況も何とかみんなで乗り越えていくんです。それでもう一回頑張っていくんですけど、「スパガって年始のライブで必ず卒業発表があるね」って言われちゃうような状況になってしまう。それがすごく悔しいなって思って。でもどうすることも出来ず、ミーティングで「もう誰も辞めない状態でスパガを続けていきたい」「みんなで頑張ろう!」ってなっても、結局また誰かが卒業してしまうので、どうしても士気が下がってしまう。
--そこから毎回立て直していくのってラクじゃないですよね。
前島亜美:すっごいパワーがいるんですよ。オリジナルメンバーの振り絞ってきた感は半端ないと思います。やっぱり卒業は寂しいですし、別れはツラいですから。それでも受け止めてやっていかなきゃいけないっていうのは、結構しんどくて。だからこそ「絶対に成功させたい!」って思ってます。
--では、メンバーの卒業は糧にもなってるんですか?
前島亜美:力にはなってますね。ただ、今はまだグループが波に乗れていないというか、思い描いた通りの形になれてないので。もっと夢に近づけたり、もっと上に行ったときに「あのときがあったから」って言えると思うんですけど、今はまだそこまで辿り着けてない。
<「上手くいかなかったから卒業します」っていうのは絶対にしたくない>
--先のブログには、「私自身も、昔の方が良かった 劣化した ダメになったって沢山言われるようになって」とも書かれていました。スパガのセンターを務めるメンバーでありながら、そうした言葉を浴びせられる苦しみは相当なものだと思うのですが。
前島亜美:いや、でも本当にその通りなので。「前島亜美って昔のほうが良かったよね」って100人いたら90人以上が言うと思うんですよ(笑)。自分でも実感してるし、それが現状だなって。12歳から人生の青春と言われるものを私はすべてスパガに費やしてきたので、それゆえの孤独もありますし、頑張っても夢に手が届かない虚しさが蓄積されていっていて、振り絞れるパワーが足りなくなってしまったのかなって。だから強くなりたいって思う。過去は変えれなくても未来は変えていけるじゃないですか。今は「劣化した」とか言われてますけど、ここからまた「スパガの前島亜美って凄いね!」って言われるように変わっていきたいなって、すごく思っています。
--先日の5周年記念ツアー最終公演(http://bit.ly/1TiRWVU)では「約束します。絶対に、夢を叶えたいです。また日本武道館に立ちたい」と仰っていましたが、この約束は絶対果たしたい?
前島亜美:そうですね。「上手くいかなかったから卒業します」っていうのは絶対にしたくないなと思っていて、「学業に専念するから」とか「女優になりたいから」とか、そういう理由で卒業するってことも絶対にしたくなくって、スパガで絶対に夢を叶えたいと思ってるんです。皆さんのことをこれ以上裏切りたくないし、絶対に「スパガを応援しててよかった」って思ってもらいたいので、どんなに遠回りしてでも夢は叶えたいと思ってます。
<日本武道館で一緒に「よかった!」ってうれし涙を流して下さい!>
--ただ、その夢は当然ながら前島亜美ひとりでは叶えられません。
前島亜美:そう思います。グループがひとつとなって進んでいかないといけないし、そうじゃないと掴めないものなので。どのメンバーも思ってると思うんですけど、何か掴まないとこの5年の意味が無くなってしまう。それはみんな絶対イヤだと思うし、やっぱり「あのときがあったから」って言いたいはずなんですよ。本当にツラかったり、悔しい想いをいっぱいしてきたんで。そこはみんな同じだと思うので、もっとメンバー間の絆を強くして、もっとグループ感を作って、誰が見ても「あのグループ、良いね」って言ってくれるようなグループになりたいなって思ってます。
--ただ、このままだと「来年、このメンバーで日本武道館に立つ!」と目標を掲げたものの、中途半端な形の武道館公演になりかねないですよね?
前島亜美:それは本当に思います。「日本武道館に立つ!」とは言ったものの、このままじゃダメだろうなって。最近、アイドルの方がよく武道館でライブされてますけど、簡単に「立ちたいです」って言っていい場所じゃないと思っているんです。スパガは2013年に武道館に立ってますけど、私的には「達成!」みたいな感じじゃなくって。180度のステージで、集客も一般的な満員にはできなかったし、「失敗だったね」って言われることもあったんです。だからリベンジしたい気持ちがすごくあって、私は「2回目の武道館は大成功だったね」って言われたいんです。形式的に「武道館に立ちたいです。頑張ります!」って言ってるんじゃなくて、武道館で「頑張ってきてよかった」って心の底から思いたいんです。
--では、こんなところでスパガを終わらせる訳にはいきませんね。
前島亜美:その想いが今の自分を動かしてます。今年卒業したメンバーが私の1コ上で、私も今高校3年生で、まわりも「進学」とか「就職」とか言ってる中で、どうしても自分の人生のことを考えるようになって。今まではスパガに必死で何も考えてなかったんですけど、最近は「人生としてこの5年間はどうだったんだろう?」って揺れることがあるんですよ。でもどんなに悩んでも、後悔をしても、進んでいかなきゃいけないなって思ってるし、中途半端に卒業だけはしないって決めてるんで、頑張っていきたい。夢を叶えるまでは辞める訳にはいかないです。
--最後に、その夢を共に叶えたいメンバーにメッセージをお願いします。
前島亜美:私は変わってるし、すごく不器用なので、メンバーにはいっぱい迷惑をかけてきたと思うし、頼りない存在だったときもあったと思うけど、これからは「あみたにだったら任せられる」って思われるように、グループに必要な存在になれるように頑張っていくので、満員の日本武道館で一緒に「よかった!」ってうれし涙を流して下さい。
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:杉岡祐樹
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