2015/06/18 12:15
フジテレビの音楽番組『水曜歌謡祭』が6月17日に放送。今回は昭和から平成へ、今日までの音楽界の歴史を振り返る2時間スぺシャルとして開催された。
オープニングは、昭和を代表するシンガー、坂本九の「上を向いて歩こう」(1961年)を、ゲスト総出で合唱。和田アキ子×工藤静香、杏里×山下久美子、渡辺真知子×相川七瀬など、他ではみられないレアな組み合わせに、司会の森高やふなっしーと、バックを支える面々もバラエティ豊か。また、柴田理恵や前園真聖、鈴木奈々といった、各世代に分散したゲスト陣も大歓声とともに会場を盛り上げた。
オープニング後、コーナーは<60's>へ。1960年代に開催された東京オリンピックやビートルズの来日などを振り返り、1968年にデビューした「和製リズム・アンド・ブルースの女王」こと、和田アキ子が登場。翌年リリースした2ndシングル「どしゃぶりの雨の中で」を鼓舞し全開に披露し、その歌力の衰えなさに、パートナーを務めたMs.OOJAも後ずさりするほどだった。雨につなぎ、昭和歌謡界の女王・美空ひばりの「愛燦燦」(1986年)を、続けて和田がカヴァー。原曲を崩さないよう配慮しつつ、ブルージーに仕上げた。
スタジオトークでは、ゲストが和田の歌を大絶賛しつつ、柴田の小学生時代のエピソードや、ふなっしーの年齢の推測など…60年代各々のエピソードを振り返りながら、コーナーは<70's>へ。
長嶋茂雄の引退シーンや冬季オリンピックをプレイバックし、現在公開中の自身が出演する映画『イニシエーション・ラブ』で、印象的だったと語るシーンにかけて、前田敦子のフェバリット・ソング「木綿のハンカチーフ」(1975年)を、太田裕美本人とデュエットした。声が震える前田を支えるよう、太田が柔らかい声で包み、新旧のアイドルによるデュエットは穏やかに幕を閉じた。
続いて、松田聖子やゲストの山下久美子への楽曲提供でも定評のあるシンガーソングライター、原田真二が、1977年リリースの「キャンディ」を弾き語りで聴かせ、そのまま「タイム・トラベル」(1978年)を増田貴久(NEWS)と三浦大知がカヴァーした。難解なコード進行と音程の取り難い“原田節”を軽快なステップにあわせて、見事に焼き直した増田&三浦。原田も関心するようにバックをサポートした。
高橋真麻の十八番でもおなじみ、「かもめが翔んだ日」(1978年)を、渡辺真知子がパワフルに歌いきると、1976年に中島みゆきのプロデュースにより、研ナオコのブレイクのキッカケとなった名曲「あばよ」を、本人が披露。そして、先月リリースされたカヴァーパルバム『雨のち晴れ、ときどき涙』から、「夢芝居」(1982年)を梅沢富美男本人と“大衆演劇風”にコラボレーションした。梅沢の女形での登場に会場も大いに盛り上がり、普段ヴァラエティで活躍する2者だが、あらためてアーティストとしての実力をこのステージで知らしめた。
時代はアイドル全盛期の<80's>へ。アイドル時代とバブル全盛期の当時を、駆け抜けた本人たちが振り返り、森高のボディコン姿や工藤静香のかきあげ前髪で盛り上がった後、80年代を彩ったシンガー、杏里~山下久美子~工藤静香のメドレーが披露された。
ウエスタン風の衣装で登場した杏里は、カヴァーが絶えない「オリビアを聴きながら」(1978年)と、当時カラオケで大ブレイクした、「悲しみがとまらない」(1983年)を、共演経験のある乃木坂46の白石麻衣とデュエット。杏里の変わらぬエヴァーグリーンな歌声と、白石の透き通った歌声が、相性抜群のステージに。
Happinessがバックを務める「赤道小町ドキッ」(1982年)では、山下久美子も楽しむように歌った。古臭さをまったく感じさせないこのサウンド、さすが細野晴臣だとあらためてその才能に関心させられる。Happinessがそのままバックを務める、工藤静香の「嵐の素顔」(1989年)では、彼女たちのパワフルなダンスにあわせて、本人と“L字振り”の共演が実現。また、当時を彷彿させるヒールにボディコン・スタイルと、工藤の変わらないその美貌、スタイルにも驚かされた。
時代はバブル崩壊後の<90's>へ。経済の低迷とは反比例し、音楽業界が最も潤った、90年代。その核にもなった織田哲郎が、自身最大のヒット曲「いつまでも変わらぬ愛を」(1992年)を、弾き語りで披露。自身がプロデュースしたZARDの「揺れる想い」やDEENの「瞳そらさないで」など、90年代は“ポカリスエットCMソング”として起用された楽曲が、次々にヒットした。
90年代前半はビーイング系・アーティストに、そして後期に入ると「夢見る少女じゃいられない」で大ブレイクを果たした、相川七瀬のプロデュース業で大成功をおさめた織田。その相川七瀬と共に、「夢見る~」を、まるで既存のユニットのような抜群の相性で披露した後、1994年の大ヒット曲、WANDSの「世界が終るまでは…」を、増田貴久とDAIGOによるロック・ステージで盛り上げた。
今週の<出張歌謡祭!!>は島根県邑南町から、さだまさしが「ルルル~」でおなじみ「北の国から」のあのフレーズで登場し、合併10年を記念して作られた邑南町のイメージソング「さくらほろほろ」を、町民を囲んで合唱。また、スタジオにも邑南町の若者がゲスト出演し、スタジオからも歌声を響かせた。
ラストはいよいよ、<00's>へ。イチローの飛躍や携モバイル時代に突入した2000年代、浜崎あゆみや宇多田ヒカル、ミーシャといった名だたる歌姫が続々と登場したこの時代に、まさに歌で勝負すべく女性シンガーの代表格、小柳ゆき&平原綾香による、“相互カヴァー”がスタジオを熱くさせた。小柳の「あなたのキスを数えましょう~ You were mine ~」はゴスペル風に、平原の「Jupiter」はクラシカルに、互いの声質を活かして、メロウな音に魂を忍ばせながら、すばらしいステージで幕を閉じた。
次回の水曜歌謡祭は、7月8日の夜8時から2時間SPで放送される。
Text: 本家 一成
◎番組情報
フジテレビ『水曜歌謡祭』
毎週水曜夜7時57分 生放送
MC:森高千里 / 渡部 健(アンジャッシュ)
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