2015/03/30
上野で開催中の東京春音楽祭で、3月28日【ヤナーチェク―ないしょの手紙~こころを紡ぐ、ヤナーチェクからのラブレター】が開催された。
本公演は、知られざる作曲家を紹介するディスカバリーシリーズ第二弾。村上春樹の長編小説「1Q84」に登場し話題となったヤナーチェクだが、クラシック音楽の愛聴家以外にはなかなか馴染みのない作曲家の1人だ。企画進行役を務めた大阪大学大学院非常勤講師の中村真氏は、「チェコ出身であることや、同じ時代のリヒャルトシュトラウスやドヴォルザークといった作曲家とは異なる音楽性、また作曲家にしては珍しく非常に遅咲きであったことが馴染みのなさの要因の1つ」と説明した。そしてヤナーチェクが生涯 収集に取り組んだ民謡を中心に、ピアノ曲「霧の中で」や、晩年の傑作といえる弦楽四重奏曲「ないしょの手紙」などが、中村氏の解説とともに演奏された。
民族色の豊かな音色と、表現主義的な色合いの入り混じった独特な作品が、魅力のヤナーチェク。そんな彼の作品を、歌曲、オペラのアリア、ピアノソロから弦楽四重奏まで幅広いプログラムで届けられた本公演。ヤナーチェクを好きだった人は魅力を再確認でき、初めて聴いた人には新たなきっかけを与えてくれるような1日になったに違いない。
◎公演概要【ヤナーチェクーないしょの手紙~こころを紡ぐ、ヤナーチェクからのラブレター】
日時:2015年3月28日(土)15:00開演
会場:上野学園 石橋メモリアルホール
出演:ソプラノ:小林史子、ピアノ:寺嶋陸也、姫野真紀、クァルテット奥志賀(ヴァイオリン:会田莉凡、小川響子、ヴィオラ:七澤達哉、チェロ:黒川美咲)、お話・企画構成:中村真
More info: http://www.tokyo-harusai.com/
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