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2015/02/18

ロシア最大のSNS“フコンタクチェ”が著作権尊重へ動き出す

 ストリーミング・サービスが形成途中で大手企業もまだ進出していないロシアにおいて、現地ではFacebookと同じぐらい巨大であり著作権侵害で世界的に知られるSNS“VKontakte(フコンタクチェ)”が、合法的運営に向けた第一歩を踏み出した。

 Mail.Ruグループが所有するVKontakteは、ユーザーがiPadやiPhoneからアップロードした音楽をストリーミングするオプションを削除したのだ。同オプションはその他のデバイスではまだ利用できる状態だという。

 ロシアのビジネス紙Vedomostiでは、地元の音楽業界関係者の話を引用し、VKontakteがユニバーサル・ミュージック、ワーナー・ミュージック、ソニー・ミュージックなどの世界的なレーベルとサブスクリプション型のストリーミング・アプリについて交渉中だと伝えている。

 何年もの間、ユーザーに楽曲のアップロードを許可してきたことが著作権所有者側とVKontakteとの間で問題になってきた。VKontakteに対して幾度となく訴訟が起こされてきたなか、同サービスは、ユーザー作成型コンテンツのため制御できないものの、権利所有者から要求があれば違法なコンテンツを削除するとして裁判所を納得させてきた。

 しかし、国内外の権利所有者たちはこれに満足しなかった。VKontakteユーザーがアップロードした音楽のすべてを監視するには多額の資金が必要なため、違法アップロードを防ぐのはソーシャル・ネットワーク側の仕事だと指摘したのだ。

 ここ数年間、Vkontakteは海賊ウェブサイトとして米通商代表部と国際知的財産権同盟のブラックリストに載っている。ところが昨年、ロシアが著作権規制を強化したことでロシアの裁判所も姿勢を変え、Vkontakteに対し著作権侵害と判決するケースも出てきた。

 VKontakteの考えるサブスクリプション型ストリーミング・アプリの詳細は今のところ不明だが、1日の利用者数7,000万人以上を抱える同サービスにとって有料サービスがかなりの収入になる可能性があるのは確かだ。

 世界最大手であるスウェーデンのストリーミング・サービス、Spotify(スポティファイ)がロシアへの参入を計画していたが、先月、同国の景気低迷や年内に施行予定の個人情報保護法を理由に計画を取りやめている。

 現在ロシアで稼働している国外のストリーミング・サービスは、オーストラリアに拠点を置くGuveraのみとなっている。

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