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2014/10/28

西本智実がバチカン国際音楽祭に出演、ドラマティックな「レクイエム」を披露

 国際的指揮者、西本智実が、バチカンで毎年開催される国際音楽祭を主催するバチカンの音楽財団より、巨匠アーノンクールらとともに10月23日、名誉賞を受賞した。

 西本は10月23日のローマ教皇庁宗教音楽院における、バチカン国際音楽祭を主催する同財団による授賞式で、枢機卿長の名のもとに、アジア人として初めてとなる「名誉賞」を受賞。彼女の曾祖母の出身地である長崎県平戸市・生月島の隠れキリシタンが伝承してきた祈り「オラショ」の復元・また、バチカンにおける指揮が評価された。厳粛な雰囲気の中、「日本人のマエストロ西本」の名が呼ばれると、会場は大きな拍手に包まれた。枢機卿長と並んでカメラの前に立つ西本に、欧州から集まった記者たちから、その栄誉を称えた多くのフラッシュが降り注いだ。

 また、翌24日には、「オラショ」の発祥の地でもあるサンピエトロ大聖堂のミサで、西本智実が芸術監督を務めるイルミナートフィルハーモニーオーケストラ、合唱団とバチカン専属の聖歌隊「システィーナ礼拝堂合唱団」の共演が実現し、グレゴリア聖歌「オラショ」などを披露した。世界遺産としても知られる大聖堂の参列者から大きな喝采を受け、西本は「無形のオラショがバチカンに認められ、世界中の人々に知ってもらえる機会となって良かった。」と語った。

 さらに26日、ウィーン・フィルとともに招聘された同音楽祭では、西本智実指揮イルミナートフィル&合唱団によるサンパウロ大聖堂公演が開催され、ヴェルディの「レクイエム」を演奏。大聖堂の荘厳な空間に、西本智実が導く流麗で、深い迫真感に満ちたドラマティックな響きが降り注いだ。そして、緻密なテンポで合唱とソリストから最高の歌唱を引き出した。最後の音が鳴り終わってから、拍手が始まるまで約40秒余。コンサートミストレスと握手後、正面を向いたときの西本へ一層、密度を増した喝采が続いた。世界各地から集まった聴衆は総立ちとなり、人間の声が持つ根源的な「力」を導いた西本の記念碑的演奏を讃えた。そして、現在その活躍が欧州音楽界の大きな話題となっている西本智実が、帰国直後の11月2日、昭和女子大学人見記念講堂において渾身の組曲「宿命」公演に挑む。

◎授賞式映像
http://youtu.be/VnggV9XpGok

◎公演概要
西本智実指揮組曲「宿命」
日時:2014年11月2日(日)14:30開場 15:00開演
会場:昭和女子大学人見記念講堂 コンサートホール
More info:billboard-cc.com/classics/ 

Photo by 新井秀幸

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