2021/05/25 12:00
5月19日公開のHot 100は上位が一気に入れ替わった。フィジカルのCDの強さで競ったHey!Say!JUMPとHKT48、そしてフィジカルとデジタルのバランスの良さが見事なTWICEに続き、4位にチャートインしてきたのが、YOASOBIの新曲「もう少しだけ」だ(【表1】)。この曲は彼らの9作目の配信シングルとして5月10日にリリースされ、3月に初めてフィジカルのCDシングルとして発表したシングル「怪物/優しい彗星」以来の作品となる。
「もう少しだけ」は「夜に駆ける」同様、monogatary.comという小説投稿サイトとのコラボレーションから生まれた一曲だ。このサイト内では様々な企画を行っているのだが、今回は「夜遊びコンテスト vol.3 with めざましテレビ」という企画で大賞を受賞した小説作品をもとに楽曲制作が行われた。企画名の通り、フジテレビの情報番組「めざましテレビ」のタイアップであり、楽曲を認知させるためには非常に有効だ。そのため、初登場4位というのは、YOASOBIの歴代のシングルの中で最も好成績である。
チャートの内訳をみてみると、やはりダウンロードがこれまでの楽曲同様に強くて余裕の首位。ストリーミングもロングヒットの強豪である上位に迫る4位となっている。また、相変わらずメディアからの支持も高く、ラジオのオンエア回数で6位を記録。動画再生数も、YouTubeではジャケットの静止画のみの映像だというのに、すでに18位となっている。押さえるべきところはしっかりと押さえているといえるだろう。
それだけに今後のチャートの動きも楽しみだ。これまでの実績でいうと、ストリーミングや動画再生数はそのまま落ちることなく伸び続けるだろうし、いずれはカラオケのポイントも上昇するだろう。そうなるとロングヒットは確実である上に、メディアタイアップの力でさらなるヒットに結び付く可能性も高い。実は彼らは「夜に駆ける」以降、Hot 100で首位を獲得していない。「もう少しだけ」が、2作目の首位獲得曲となることを期待できるのではないだろうか。
Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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